あとがき
 このような長いお話を、最後までお読みいただいて、本当にありがとうございました。
 あらためて、心から御礼申し上げます。
 
 まず、ラストについての釈明から…(この先は完全にネタバレです。もしもあとがきを先に読んでいる方がいらっしゃったら、即刻プラウザで「戻る」ことを強くおすすめします。)
 

 先日開催されたヤマトパーティーことヤマパのキャラ人気投票で、技師長は堂々一位を獲得されたといいます。長年、「うっそー、真田さんファン?地味ぃー」などと友人から冷やかされ、古代や島などのメジャー男性キャラに押されているとばかり思っていた技師長に、これほど多数のご支持が集まっていたと知って、中学1年以来25年間技師長一筋に(ちょっとウソです。実は途中ブライトさんに浮気したりしています)過ごして来た者としては、本当に嬉しい限りです。そう、技師長はほんとにステキですよね!
 
 ところで、ファンの方が多いということは、それぞれの方の思いも強いということで、そもそも真田さんのラブストーリーを書くということ自体、ストイックな技師長への冒涜であるとお感じになる方もおられます。そのお気持ちは同じ技師長ファンとしてよくわかります。ましてや、今回のラストに至っては…。現に、本サイトの二択甲板の「新婚生活が最も想像しにくいのはどっち!」という設問で、真田さんはデスラー総統を圧倒(というか票を独占)、SELECT DECKの「一生独身を貫きそうなキャラは…」という問題で42票獲得して一人勝ち状態、「真田さんの魅力は…」という問題では「女っ気のないところ」がトップという結果でした。正直、あれを見た時には冷汗だらだらで、このままラストまで掲載したらカミソリ100枚かも、と思いました。
 
 でも!
 
 あくまでも、私の個人的な思いにすぎませんが、真田さんにはうんと幸せになって欲しいんです。…あの事故、そしてきっと暗かったであろう少年時代。今も、強すぎるほどの責任感のせいで、沖田艦長以外のクルーの中では一人で苦労をしょっているような真田さん。PS版のゲーム一作目でも、一人だけ命をすり減らして修理して、なぜか経験値はろくにもらえず…(あ、なんかちょっと違いますね。)。
 とにかく、そんな技師長を見ていると、なんとしてもこの方には幸せになっていただきたいという気持ちで一杯になります。
 
 昔、中学のころ、始めてこのお話を作っていた時、28歳の真田さんは、絶対に手の届かない、違う世界にいる憧れのおとなの男性で、緑は、その憧れを引き受けて、ただ真田さんを一方的に慕って、(いろいろなバージョンがあったのですが)七色星団の戦いやコスモクリーナーの始動によってひっそり死んでいくだけのキャラでした。
 そのころは、真田さんの気持ち、というものを考える余裕はなく、もとより真田さんに悩みがあるなどとは思いもせず、憧れの人(あたかもかっこいい部活の先輩のようなものです)に、少しでも気にかけてもらえたら幸せだろうなあ、という、子供っぽい願望だけでお話を作っていたように思います。ヒロインをとにかくあの手この手で殺しまくっていたのは、慢性片思い中毒で歪んでいたのかも(汗)。当時は、吉川くんは緑をかばって大工作室で爆死、根岸くんも戦死というものすごい話でした。今回、緑がたびたびひどい目にあい、腕を切断して義手になるというところまで行ってしまったのは、そうでもしないと真田さんが自制に自制を重ねてしまって全然行動に出てくれない、ということが一番の原因なのですが、副次的理由としてこのような過去の経緯があったりします。ごめんね、緑。
 
 その後、私もそれなりに歳をとって、大人の恋愛や結婚生活というものも実際に経験し、だんだんわかってきたことですが、過去の辛い思い出は、一生懸命消そうとしてもなかなか消えてくれないけれど、今が幸せでありさえすれば、新しい幸せに塗りつぶされてどんどん薄れていき、やがて懐かしい思い出に変わってしまうものなんですね。幸せの形は人によっていろいろだと思いますが、自分が一番大切に想っている人が、同じように自分を想ってくれて、無条件に自分を受容してくれる…その実感は、なにものにもかえがたい幸せではないかという気がします。
 
 ですから、技師長には、ぜひとも幸せな結婚生活を送っていただきたいのです。もちろん、澪を引き取らなくてはいけませんし、休む間もなく戦争に出かけていますから、子供ができてしまうのはちょっと困りますし(それで「大量被曝により子供禁止」の設定を作ったわけです。…あれは、大学時代に、核融合施設の研究者の彼を持つ友人から聞いた話等が元ネタです)、仕事中毒なのは結婚しても変わらないでしょう。でも、「新たなる旅立ち」で制作者の方が古代と雪を結婚させるのをためらって同棲ということにさせてしまった時代と違い、今はもう共働きはあたりまえになっていますし、23世紀なら、夫婦で同じ戦艦に乗り込んだっていいのではないでしょうか(スタートレックの例もあります)。それに、技師長自身、「愛し合う者どうしが一つになるのは、自然なことじゃないのか」とおっしゃっていましたよね。既婚者で、しかも事情があって自分たちの子供を作れない、ということなら、わざわざ澪を引き取った理由もなんとか説明がつきますし…。
 
 と、このようにくどくどと技師長の結婚問題について苦しい釈明をしてまいりましたが、なぜここまでいいわけをするかといいますと…実はこの後の続編を書いておりまして、現在第2章まで進んでおります。ということで、なにとぞこの身分関係についてご理解をいただきたく、必死に制作意図のご説明に及んだわけであります。
 
 とはいうものの、なにしろ、帰還後1年で白色彗星が襲ってきますので、幸せな新婚生活といってもせいぜい本作でいうところの1章分くらいしか続きません。その後は、さらばをベースにして、真田さんが地球防衛軍に対する明らかな反逆行為(これはどうみたって首謀者の処分は通常死刑以外に考えられません)であるヤマト出航を決意し、「行こう、古代!」と自ら反乱をもちかけるに至る経緯などのエピソードを入れつつ、できればなるべくみんなが死なないですむ方向で行きたいと思っています。特に加藤くん…(泣)。いくら弟がうり二つでも、加藤くんは加藤くん、イスカンダルへの苦楽をともにしたかけがえのない仲間です。山本くんだって、新米だって同じです。ぎりぎりまで自力でやれることをやる。精一杯頑張れば必ず光が見えてくる。親切なお方に援助はしてもらうけれど、最後に勝つ要因は自分の創意工夫。この、ヤマト1の心というか、沖田艦長の精神を大切にして、何とかみんなで幸せになる方法はないものか、と思っています。(…藤堂さんが、Aliceさんの名作「君の名は…」のレスで、澪と守が助かる「永遠に」を読みたい、とおっしゃっていましたが、私も全く同感です。若い頃は悲劇が好きでしたが、どうも世の中が暗いせいなのか、お話の中でぐらい、昔なじみのみんなに幸せに暮らしていてほしい、と思ってしまうのは、やはりトシのせいでしょうか…。)
 
 これから、転勤などいろいろ一身上の変化がありそうなので、いつごろ書き終われるかいまひとつはっきりしないのですが、うまくいけば来年夏過ぎに完成したらいいな、と思っています。もし、上記の基本設定に違和感をお感じにならなければ、完成の暁には、どうかご覧になってやって下さいませ。よろしくお願いいたします。
 
 それでは、これまでご支援いただいた方々に心からの御礼を…
 
 まず、本艦で公開の機会を与えてくださった上、挿絵の貼り付け、タイトル文字色変更、新着紹介及びレス欄と、ご多忙な中、お時間を割いて全面的なお力添えをいただいた長田艦長に、厚く御礼申し上げます。お仕事と引越等でへとへとにお疲れの際に、いろいろとご厄介とご心労をおかけして、ほんとうに申しわけありませんでした。まさに艦長あっての本作品と思っております。今後ともご厚誼のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
 そして、連載開始後、早い段階から、沢山の暖かく有り難いご感想をお寄せいただいたAliceさん。連載中、ご感想をちょうだいするのが楽しみで、放火犯人のように、しょっちゅうYamato Novelsを覗きに行っていました。沢山のエネルギーを分けていただいて、本当にありがとうございました。
 なんぶさんも、心暖まるご感想を何度もくださった上、緑を積極的に応援していただいて、感激いたしました。ありがとうございます。
 専門的な観点からのご感想や、貴重なご意見をお寄せくださった藤堂進さん、本当にありがとうございます。大変勉強になるとともに、嬉しく読ませていただきました。今後ともよろしくお願いいたします。
 ゴーシさんも、励ましていただいて有り難うございました。頑張ります!
 そして楽天ストリッパーさん、楽しいコメントをありがとうございました。
 なお、私信のためお名前を挙げるのは控えさせていただきますが、メールでご感想をお寄せ下さった皆様、ほんとうにありがとうございました。皆様のおたよりは全部大切に保存させていただいて宝物にしております。
 
 それでは、最後に、重ねて御礼申し上げます。いままで本当にありがとうございました。
 「シルフィード2」で、またお目にかかれますよう、心より祈念しております。
 
ぴよ 拝


ぴよ
2001年12月13日(木) 23時43分48秒 公開
■この作品の著作権はぴよさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
それでは、緑と真田さんの新婚生活を早くお届けできますよう、がんばります!

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2002年以降に感想をご投稿くださった蓬様,,ラン様,かおりん様,MIN様,メカニック様,ずっと御礼を申し上げずに来たことをお許しください。連載終了後にこのようなご声援をいただけるということを,心から嬉しく,有り難く思っております。厚く御礼申し上げます。1作目は一部,二部併せて文庫本組みで275ページ(挿絵含む)なのですが,続編のほうは本日現在,挿絵抜きで約100ページ強といったところです。ただ,最後まで書き上げませんと,推敲時に矛盾が出て手直し,ということがしばしばありますので,前作から8年余もたっておりましてまことに恐縮なのですが,いましばらくお待ちくださいますようお願いいたします。仕事等の事情で途中5,6年は完全に中断していたのですが,今年に入ってから毎日コンスタントに書けておりますので,年内には必ずUPできると思います。続編につきましても,なにとぞよろしくお願い申し上げます。それでは,御礼かたがた近況報告をさせていただきました。 ぴよ ■2010年02月07日(日) 22時58分54秒
何回も投稿をしてすいません。でも何回読んでも同じ気持ちになります。執筆、応援しています!! メカニック ■2010年02月06日(土) 12時00分28秒
感動しました。宇宙戦艦ヤマトを真田さんを軸にするとこういうスト−リ−になるんですね。また何回も読み返したくなりました。青のシルフィ−ド2も楽しみにしています。 メカニック ■2009年06月01日(月) 10時11分20秒
一気に読んでしまいました。緑ちゃん、よかったですね。まるで自分が真田さんに告白されたような錯覚に陥るほどすばらしくひきこまれた作品でした。 MIN ■2003年10月05日(日) 22時59分07秒
はじめまして。真田さん大好きなかおりんです。こんなステキなお話をありがとうがざいました。毎晩楽しみによんでました。これこそわたしが長年求めていたストーリーです。大感激で言葉もありません。きっと繰り返し繰り返し読んじゃうだろうな。続編とても楽しみにしていますね。真田さんと緑さんの幸せをいのってます。 かおりん ■2003年09月01日(月) 23時31分29秒
ぴよさん、ご苦労さまでした。あなたの作品に出会えたこと、とてもうれしく思っています。真田さん大好き!うん10年。私の想いをみごとに表してくれた作品に出逢えて感無量です。真田さんには幸せになってもらいたい!!そんな気持ちがせつせつと伝わってくるお話でした。ここんとこ毎晩のようにお邪魔してくりかえし読んでいます。続編があるそうですね!今からとても楽しみにしています。本当にありがとう!!ぴよさん!! ラン ■2002年10月25日(金) 09時25分10秒
↓の続きです。最終的にハッピーエンドになって良かったと思います。「あとがき」を読んでやはりいる人はいると・・・真田さんファンからブライトさん、私とここまでは同じです。こちらはヤマトの世界なので他のことは言いません。でもまだ他の皆さんの作品も読んでいないので少しずつ読んで行きたいと思います。『2』もあるのですか?楽しみに待っています。 ■2002年06月09日(日) 01時48分35秒
ここのサイトを知ったには先月です。それからというもの時間がある時観てました。大体じっくり読みたいと思うと夜中になってしまうので母親に怒られながら読みました。 ■2002年06月09日(日) 01時41分40秒
いやあ、お疲れ様でした。ほんに楽しませていただきました。よ、余韻がまだ…。(笑)途中、「どうなってしまうんだ!?」と悶絶しましたが、ハッピーエンドに「ほっ!」としてさわやか〜。私も真田サンには幸せになって欲しいクチですのでね。続編も執筆中だそうで!楽しみです〜。「さらば」や「2」では大勢逝ってしまうので、可能な限り、みんな幸せにしてやって欲しい―なんて思っちゃってます。(ちなみにワタシは十三ちゃんと山本が好きッス) 楽天ストリッパー ■2001年12月17日(月) 10時01分10秒
お疲れ様でした。緑と真田さんの物語すばらしかったです。ありがとうございました。ヤマトの最初の航海で、各乗組員の、表には出てこない様々な物語があった(あっていい)と思います。これからも、いろんなキャラクターに、いろんな物語をつくってあげてください。第2部も楽しみにしています。 なんぶ ■2001年12月14日(金) 09時11分41秒
ぴよさん、お疲れ様。本当に素敵なお話でした。緑や吉川や他の技術班の面々が実にイキイキしていて、彼等が実は本編には登場しないオリキャラだなんて、思えないくらいです。連載終了を寂しく思っていたので、続編の存在は嬉しい限りです! Alice ■2001年12月14日(金) 00時23分41秒
ごめんなさい。思わずEnterを押してしまいました。ぴよ様、はじめまして!すばらしい作品をありがとうございました。自分も、次の話が読みたくてほぼ毎晩、UPされてないかとおじゃましておりました。本当に素晴らしい物語をありがとうございました!第2部も楽しみに待っています(無理はせずMy Paceで!)。敬礼! たるじ丸 ■2001年12月14日(金) 00時10分06秒
なんて清々しいラスト!(しかも期待以上のハッピーエンド!) たるじ丸 ■2001年12月14日(金) 00時02分05秒
お疲れ様でした。2も当艦でよろしく!! 長田亀吉 ■2001年12月13日(木) 23時58分49秒
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